Gメン75 59話は沖縄シリーズ第一弾!アメリカ占領下の沖縄軍事法廷で無罪判決のGI(デビッド・フリードマン)を東京で射殺した青年(下塚誠)を追う響圭子刑事(藤田美保子 現・藤田三保子)たちGメン
第59話 東京-沖縄 縦断捜査網 | ||||||||||
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仮題 |
①東京-沖縄 縦断捜査網(シナリオ#59、60) 暑い南の島の幽霊 ——— ②東京-沖縄 縦断捜査網(シナリオ#59、60、61) 日本領土 沖縄の幽霊 沖縄に響く痛恨の銃声 |
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シリーズ名 | 沖縄シリーズ | |||||||||
放送 | 76.07.03 | |||||||||
脚本 | 高久進(池田和雄、井口真吾) | |||||||||
撮影 | 下村和夫(1975年度日本テレフィルム技術賞・受賞) | |||||||||
監督 | 鷹森立一 | |||||||||
役名(台本) |
①前後編2部作 黒木、草野、津坂、山田、圭子、小田切 —– 新里哲夫 新里純(※本編では「ケン」) 新里みゆき 新里りえ 新里かね 安仁屋刑事 安仁屋朱実 具志堅 リチャード・スミス一等兵 マーチン軍曹 支配人 全日空女子社員A 全日空女子社員B 刑事A 警官A バーテン 暴力団員 通訳 裁判官(外人) 司令官(外人) 副官(外人) 兵隊A 兵隊B(外人) 黒人(外人) 新里の父 新里の母 |
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出演 | 黒木 | - | 津坂 | 山田 | 圭子 | 小田切 | – | - | - | - |
主演 | 響圭子刑事・小田切警視 | |||||||||
ゲスト |
川地民夫 范文雀(Gメン75、Gメン82/賀川陽子刑事、プレイガール/ユーミン・ダロワ、ハン・ザ・摩耶) 織田あきら(刑事物語 星空に撃て!/伊達浩介刑事) 森川千恵子 原泉 下塚誠(Gメン75/賀川大介) 中田博久 星野みどり 久地明 佐川二郎 五野上力(斎藤力、斉藤力、五之上力、五ノ上力) 山浦栄 河合絃司 小林稔侍(バーディ大作戦/行内刑事、Gメン75スペシャル/鬼沢平吉警部) 比良元高 平田守 B.マクマホン D.フリードマン(デヴィッド・フリードマン、デビッド・フリードマン、デビット・フリードマン) |
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タイアップ |
全日空(ノンクレジット/シナリオに記載有) 沖縄ヒルトンホテル(旧沖縄ヒルトンホテル) |
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類似シーン | 一部プロット継承:Gメン82 1話「GメンVS白バイ強盗団」 | |||||||||
撮影日 | - | |||||||||
ロケ地 | 沖縄(那覇市、沖縄市、宜野湾市、万座毛、真栄田岬、泡瀬) | |||||||||
備考 |
欠場:草野刑事 当初の予定:前後編 予告編終了後ノベルズ1巻プレゼント告知有 |
Gメン75 第59話 東京-沖縄 縦断捜査網 あらすじ(ストーリー)
アメリカ占領下の沖縄で女子高校生が暴行され、犯人のGI・リチャード・スミス一等兵とマーチン軍曹がMPに逮捕された。しかし軍事法廷が下した判決は”無罪”。
4年後、サンフランシスコから本土復帰した沖縄へ舞い戻ったリチャードは、米軍の軍用拳銃と手榴弾横流しの容疑で沖縄県警からマークされていた。
そのリチャードが武器を持って東京へ来た。彼を憎む沖縄出身の新里ケンは、警官である兄・新里哲夫の拳銃を奪いリチャードを射殺。
Gメンの響圭子刑事らはケンを発見。追いつめたがケンは圭子に「ヤマトンチュウに俺たちの気持ちがわかってたまるか!」と叫び、逃走途中走ってきたトラックにはねられ死亡してしまう。
Gメン75 第59話 東京-沖縄 縦断捜査網 解説・見どころ
- 沖縄シリーズ3部作スタート!
- 日本に舞い戻った米兵の命を狙う青年はGメンに追いつめられ事故死する
「Gメン75」で沖縄シリーズの後にシリーズもの無し・・と放送当時評価が高かった社会派作品の連続3部作。琉球と呼ばれていたアメリカ占領下の沖縄で起きた軍事裁判。米兵による女子高校生暴行事件の矛盾した判決。今もなお渦巻く極東アジア防衛戦略のもとに据え置かれている米軍基地問題を絡め、日本とアメリカ、日本と沖縄の歴史にまつわる戦争がもたらした悲劇を鋭くえぐった傑作。
準備稿段階では三部作ではなく二部作。
沖縄シリーズができるまでのエピソード
沖縄シリーズができるまでのエピソードは、東映ビデオから発売されているGメン75DVDボックス第二弾・BEST SELLECTION BOX封入の解説本(取材:2004年7月29日)に、脚本家・高久進氏へのインタビューで記されてあるのでここでは割愛したい。
準備稿段階では描けていない戦場を離れた米国軍人の様子や、薩摩藩の琉球侵略を語った小田切警視と響刑事のやりとりなどが肉づけされて、本編3部作として映像化されたことがよくわかる。
当時、番組制作スタッフの声として聞いたことだが、沖縄編をこのようなテーマにする際、プロデュース側とスポンサーとの間でかなりやりとりがあったそうだ。
沖縄シリーズ三部作にはGメン75ならではの魅力のひとつ「フィクションに現実を取り込む」手法による社会への問題提起がなされている。沖縄の惨劇や問題を知らない視聴者の目線と、響刑事の目線を重ねて描く手法も上手い。
沖縄シリーズのテーマの原点は、1973年に放送されたアイフル大作戦の35話沖縄編「東京-沖縄 華やかな大追跡」でも感じられる。登場人物も一部被っているので合わせて鑑賞すると興味深い。
Gメン75では、後の232話「幽霊殺人」でも沖縄の問題が取り上げられている。232話では、戦争当時米軍に追い詰められた日本軍により子供を虐殺された家族の惨劇が描かれている。Gメン75では、戦争の悲劇がもたらした人間模様を抉っているが、続くGメン82第一話の沖縄編では米軍基地なくしては成り立たない人々の事情にも触れている。
Gメン75単独の劇場版はないが、当時のファンの間では”ドラマ・Gメン75”は、スイッチ一つで手軽に鑑賞できる劇場映画のようだという声もあった。「Gメン75」はテレビドラマというよりやはりテレビ映画という表現がふさわしい。
Gメン75 第59話 東京-沖縄 縦断捜査網 当時の記事
Gメン75 59話 東京-沖縄縦断捜査網 視聴率(関西)
※関西地区では「太陽にほえろ!」24.7%と僅差の25.1%。1976年はGメン75の個性とも言うべき世界観が確立されていった時代でハードボイルド路線も定着した時期だった。