Gメン75 60話は沖縄シリーズ第二弾!米国占領下の沖縄・アメリカ高等弁務官布令の惨劇と有刺鉄線の壁を肌で感じる響圭子刑事(藤田美保子 現・藤田三保子)
第60話 暑い南の島沖縄の幽霊 | ||||||||||
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仮題 |
①東京-沖縄 縦断捜査網(シナリオ#59、60) 暑い南の島の幽霊 ——— ②東京-沖縄 縦断捜査網(シナリオ#59、60、61) 日本領土 沖縄の幽霊 沖縄に響く痛恨の銃声 |
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シリーズ名 | 沖縄シリーズ | |||||||||
放送 | 76.07.10 | |||||||||
脚本 | 高久進(池田和雄、井口真吾) | |||||||||
撮影 | 下村和夫(1975年度日本テレフィルム技術賞・受賞) | |||||||||
監督 | 鷹森立一 | |||||||||
役名(台本) |
①前後編2部作 黒木、草野、津坂、山田、圭子、小田切 —– 新里哲夫 新里純(※本編では「ケン」) 新里みゆき 新里りえ 新里かね 安仁屋刑事 安仁屋朱実 具志堅 リチャード・スミス一等兵 マーチン軍曹 支配人 全日空女子社員A 全日空女子社員B 刑事A 警官A バーテン 暴力団員 通訳 裁判官(外人) 司令官(外人) 副官(外人) 兵隊A(外人) 兵隊B(外人) 黒人(外人) 新里の父 新里の母 |
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出演 | 黒木 | - | 津坂 | 山田 | 圭子 | 小田切 | – | - | - | - |
主演 | 響圭子刑事・小田切警視 | |||||||||
ゲスト |
川地民夫 范文雀(Gメン75、Gメン82/賀川陽子刑事、プレイガール/ユーミン・ダロワ、ハン・ザ・摩耶) 織田あきら(刑事物語 星空に撃て!/伊達浩介刑事) 森川千恵子 原泉 中田博久 小林稔侍(バーディ大作戦/行内刑事、Gメン75スペシャル/鬼沢平吉警部) 河合絃司 比良元高 三上純子 E・アルテンバイ<エンベル・アルテンバイ> ブライアン・ビンガム クリス・スミス テリー・オブライエン |
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タイアップ |
全日空(ノンクレジット/シナリオに記載有) 沖縄ヒルトンホテル(旧沖縄ヒルトンホテル) |
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類似シーン | 一部プロット継承:Gメン82 1話「GメンVS白バイ強盗団」 | |||||||||
撮影日 | - | |||||||||
ロケ地 | 沖縄(那覇市、沖縄市、宜野湾市、万座毛、真栄田岬、泡瀬) | |||||||||
備考 |
欠場:草野刑事 当初の予定:前後編 予告編ナレーション:暑い「夏」の島沖縄の幽霊 |
Gメン75 第60話 暑い南の島沖縄の幽霊 あらすじ(ストーリー)
新里哲夫巡査はケンに拳銃を盗まれてはいなかった。警察拳銃を使いリチャードを射殺したのは哲夫自身。犯行後全てを捨てた哲夫は故郷・沖縄へ向かう。
小田切警視からの連絡を受けた響圭子刑事は那覇空港へ出向き、哲夫を逮捕しようとしたが沖縄県警・那覇署の安仁屋刑事に逆に逮捕され留置場に収監されてしまう。
圭子逮捕の知らせを受け取った小田切警視も沖縄へ飛ぶ。
小田切の尽力で釈放されたのもつかの間、アメリカと日本に虐げられつづけた複雑な歴史を持つ沖縄で、何も知らない圭子はことごとく困難の壁にぶち当たった。
そんな圭子に地元警察の安仁屋刑事や哲夫の恋人・安仁屋朱美らは敵意を剥き出しにする。占領下の沖縄で起きた悲劇と、今も尚占領下のように錯覚する巨大な外国の軍事基地。苦難の捜査を展開する圭子に朱美は罠を仕掛ける。
Gメン75 第60話 暑い南の島沖縄の幽霊 解説・見どころ
- 響圭子刑事が逆に逮捕される!
- 罠にはまり沖縄の歴史を肌で感じる響圭子刑事!
- M16自動小銃、有刺鉄線の攻防!
- 石垣の村落!灼熱の張り込み
占領下の軍事法廷での理不尽な判決、本土復帰しても、いまだ占領下と錯覚してしまうような環境をあらゆる角度で描ききる第二弾。苦難の捜査を乗り越え哲夫の実家を張りこむ圭子に哲夫の祖母が放った痛烈な一言。
準備稿段階では三部作ではなく二部作。
見て感じたGメン75「沖縄シリーズ」
これぞGメン75。本放送当時「沖縄シリーズ」の後にシリーズものなし!と言い切るファンが多かった。フィクションに現実をぶちこみ問題提起する高久進脚本の真骨頂が堪能できる三部作。
自分にとって今回のGメン75沖縄シリーズは、アメリカ占領下、琉球国時代の沖縄を知るきかっけとなった作品。
当時高校生だったが歴史の授業ではそれほど詳しく学んだ記憶がなかっただけに食い入るように鑑賞した記憶が蘇ってくる。(現代教育の近代史は不十分。授業も三学期あたりで駆け足で済ませ、特に真実をニュートラル状態で忠実に教えているとは思えない【持論】)
ストーリーの中心は響圭子刑事(藤田美保子/現・藤田三保子)であるが小田切警視(夏木陽介)がサポートするかのように「沖縄の歴史」を語るシーンがある。
日本本土側から見た沖縄、第二次世界大戦(大東亜戦争)終戦後、沖縄を占領下に置いたアメリカ側から見た沖縄、さらに琉球王国として栄えたはるか昔の沖縄と日本本土、それぞれの歴史の渦中にある沖縄に暮らす人々の現在もなお根底に流れている感情を垣間見ることができる。
小田切警視「何も知らないんだな君は・・」
小田切警視から突きつけられた響圭子刑事への言葉は、過酷な歴史を実体験していない自分を含む視聴者へ突きつけられた「現実」であり響圭子刑事は鑑賞する視聴者そのもののようなスタンスである。
作品では描かれていないが、21世紀に入った2021年時点では日米だけでなく、さらに中華人民共和国の思惑や台湾との関係も軽視できない「日本の現実」が存在する。
放送終了後、時を隔てて沖縄へ旅したことが何度かあるが、語ってくれたタクシーの運転手さんの言葉も添えておきたい。
「本土の方も沖縄に住む方も米軍基地の存在をよく思わない人もいるけど、米軍基地が無くては困る沖縄の人も暮らしてるんだよね。反基地ばかりじゃないんですよ。」
参考記事
・沖縄米軍駐留反対運動(Wikipedia)
・過激化する反基地運動(産経新聞)
・若者ほど基地を受け入れている?!(withnews)
・沖縄から伝えたい。米軍基地の話(沖縄県)
Gメン75 第60話 暑い南の島沖縄の幽霊 番宣写真(マスコミ向け)
※『響刑事は沖縄で殺人犯。新里を捕えようとしたが現地の警官・安仁屋に逆に逮捕されてしまった。川地民夫(安仁屋刑事)、藤田美保子(響刑事)織田あきら(新里哲夫)』
※旧・那覇国際空港ターミナルビル。現在(2020年9月時点)那覇国際貨物ターミナル。