キイハンター 3話は、極秘潜入捜査!宇宙科学者拉致事件に絡んだ東側共産圏の大使館内に潜入した黒木鉄也(丹波哲郎)たち5人の冒険者が国際警察と手を組むまでの活躍を描く
第3話 誘拐の城 (共同調査:NWP夏目プロダクツ) |
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仮題 | 誘拐の城(※シナリオ#3) | ||||||||
放送 | 1968.4.20 | ||||||||
脚本 | 高久進(池田和雄、井口真吾) | ||||||||
撮影 | 西川庄衛 | ||||||||
監督 | 鷹森立一 | ||||||||
原案 | 海渡英祐 | ||||||||
協力 | 東海地所株式会社 | ||||||||
出演 | 黒木 | 啓子 | 島 | ユミ | 風間 | 村岡特別室長 | - | - | - |
主演 | 黒木鉄也、津川啓子、島竜彦、谷口ユミ、風間洋介 | ||||||||
役名 |
亜沙子(※ブリタニヤ大使夫人) ニコラス・ルーミス(※誘拐専門の国際犯罪者) 南川(※ブリタニヤ大使・秘書官) 浦部(※南川の仲間) 床並(※ゲルハルト博士の通訳) 板谷(※南川の仲間) 守衛A 守衛B ゲルハルト博士(※来日中の宇宙科学者) マダム(※洋装店「サンジェルマン」) デザイナー(※洋装店「サンジェルマン」) 案内嬢 |
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ゲスト |
北原義郎 佐藤京一 丹羽又三郎 イーデス・ハンソン 杉義一 中村孝雄 ハンス・ホルネフ 篠恵輔 亀山達也 瞳麗子 ※ノンクレジット アバナイ(A・アバナイ) |
キイハンター 第3話 誘拐の城 あらすじ(ストーリー)
国際警察の村岡特別室長は、有能な諜報部員だった黒木鉄也の腕を惜しんでいた。村岡は思い切って黒木にある事件の捜査を依頼した。京都で開催された宇宙科学総会に出席したゲルハルト博士の誘拐事件の捜査である。
ゲルハルト博士は某国・ブリタニヤ大使館に連行された疑いがあり、治外法権の大使館から博士を救出するよう黒木に打診。黒木は現役の諜報部員だった頃、ニコラス・ルーミスという男に煮え湯を飲まされた苦い経験がある。そのニコラスが事件に絡んでいるらしい。彼は誘拐を専門とする国際犯罪者で国際警察がマークしていた男だった。黒木は色めき立ち、啓子は相手がプロであることに闘志を燃やす。黒木ら5人は奇想天外な発想で大使館に潜入し極秘捜査を展開する。
そしてこの事件を解決したとき、村岡は黒木を特殊スタッフとして任命することを確約。黒木は組織の拘束はしないという条件付で協力することに合意した。人間的な失敗をも許さない無機質な権力機構を毛嫌いし、現役を退いた黒木だったが、この事件をきっかけに国際警察特別室特殊スタッフの身分を引受ける。それは村岡と黒木のみが知る秘密の捜査協力体制であった。
元フランス情報局・津川啓子、カーキチ・島竜彦、記憶の天才・谷口ユミ、元新聞記者・風間洋介も加わった。いつしか彼らは自分達のことを、「キイハンター」<事件の痕跡を残すことなく秘密裏に解決する事件の鍵の狩人>と呼ぶようになる。
キイハンター 第3話 誘拐の城 解説・見どころ
- 村岡特別室長の今回の指令は映画の特別招待状!
- 治外法権の外国大使館への潜入捜査!
- 5人のチームワーク!
オープニング・村岡室長(仲谷昇)のカットが第1話、2話のものから変更されたこと。<国際警察 村岡特別室長>エンディングで仲谷昇氏がクレジットされているが、声のみの登場であったこと。 企画書にあるキイハンター結成の過程が本編では描かれていなかったこと。・・の3点が判明した。(組織設定では『Gメン’75』第2話「散歩する囚人護送車」と同様の処理)
企画書ではキイハンター 3話の今回「誘拐の城」で村岡特別室長の極秘指令で活動する「キイハンター」が正式に設立される点が紹介されてあるので、上記あらすじは本編と合成しておきたい。
キイハンターと国際警察を結ぶポジションにいるのが、特別室特別室長・村岡。警視庁とGメン75を結ぶ位置にある小田切警視(夏木陽介)の原型ともいえる設定が覗える。
治外法権で守られている大使館に潜入し、事件を痕跡すら残さず極秘裏に解決しなければならない任務に挑戦する黒木ら5人の冒険者たち。一度は警察という権力機構に背を向け自由の道を選んだ黒木だったが、事件解決後、条件付で再び村岡と手を組むことを決意。その過程をハードボイルドタッチで描いてゆく。
黒木ボスのみならず5人全員が活躍する集団捜査編であった。尚、ゲルハルト博士役のアバナイ氏はクレジットされていない。
キイハンター 第3話 放送当時の資料
『キイハンター』は、丹波哲郎主演のスパイもの。アクションドラマに色を添えるのが野際陽子でセクシーな網ドレス姿で、宣伝宣伝写真を撮るほど大変な意気込み。彼女のファイトにPR効果もまずまずで、スタッフも大喜びだったがそれもつかの間。「その写真まかりならぬ!」の声がかかったのだ。この網ドレスは芸能人にごひいきの多い、ルリ落合のデザイン。「待った!」とクレームをつけたのはスポンサーのT社で、実はこの社、かつて落合と仕事のことで大喧嘩。それが糸を引いてという訳だ。スタッフはそんなことがあったとは知らず、落合に依頼。これを着た野際の写真を、都内の有名喫茶店のレシート裏に印刷させ、宣伝に追い打ちをかける手はずも進めていたわけだが、なにぶんにもスポンサーが「ノー」ではそれもダメ。そのためこの網ドレスを使っての話題提供は遠慮しようと決めたが、皮肉なもので、都内の某有力キャバレー・チェーンから 「ウチの女の子にあの手の衣装を着せたいが、デザイン権を・・・」の申し込みまである始末。「先様から宣伝をさせてくれなんて話はそうあるもんではない。でも、そんな時に限って・・・」と、スタッフは恨めしそうな声を上げている。
出展:広告主から待った・野際陽子のPR写真(68年4月19日・スポーツニッポン)