Gメン75 20話は、深作欣二監督『特別企画』!爆弾女(中原早苗)がGメンに挑戦?!送られてきたプロ野球選手の写真の中に潜む犯行予告。関屋警部補(原田大二郎)が思い出せない爆弾女の狙いとは・・・
第20話 背番号3長島対Gメン | ||||||||||
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仮題 | -(※シナリオ#-) | |||||||||
特報 | 「特別企画」 | |||||||||
放送 | 75.10.04 | |||||||||
脚本 | 池田雄一 | |||||||||
撮影 | 下村和夫(1975年度日本テレフィルム技術賞・受賞) | |||||||||
監督 | 深作欣二 | |||||||||
役名(台本) | - | |||||||||
出演 | 黒木 | 関屋 | 草野 | 津坂 | 山田 | 圭子 | 小田切 | - | - | - |
主演 | 関屋警部補 | |||||||||
ゲスト | 中原早苗 曽根晴美 成瀬正 佐藤晟也 小林稔侍(バーディ大作戦/行内刑事、Gメン75スペシャル/鬼沢平吉警部) 亀山達也 須賀良 沢田浩二 高橋みどり 山田光一(山田甲一) 清水照夫 城春樹 畑中猛重 高月忠 横山繁 木村修 山浦栄 比良元高 佐川二郎 秋場慶子 藤村寛代 川谷拓三 アナウンサー池田孝一郎(TBS) |
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類似作品 | 85話「’77元旦デカ部屋ぶっ飛ぶ!」 | |||||||||
備考 | DVDボックスの「特報」:愛知地上波再放送の「特報」と別バージョン ロケ球場:川崎球場 |
Gメン75 第20話 背番号3長島対Gメン あらすじ(ストーリー)
Gメン本部に次々と野球選手の写真が送られて来た。その直後、謎の女から関屋警部補宛に電話がかかってきた。憎悪に満ちた声で、「送った野球選手の写真は犯罪予告だ」という。自ら計画した犯罪計画が写真に込められているらしい。送られてきた写真の中から、黒木警視は犯罪予告の日は「10月4日」だと読み取る。
川崎にある野球場でナイターの試合中、何が起きるのか。犯罪予告をしたのは”あけみ”という女で、関屋警部補と面識があるらしいが関屋はどうしても思い出せない。そのあけみはどこにいるのか?野球場でのナイターは巨人阪神戦。
Gメンは警視庁の小田切警視とともに、黒木警視以下全員で犯罪計画実行を阻止すべく動き出す。姿を見せないあけみは仕掛けた複数の爆弾と連動するリモコン装置を持ってGメン75を脅迫する!
Gメン75 第20話 背番号3長島対Gメン 解説・見どころ
- 監督 深作欣二
- 犯罪予告の日と場所を割り出すまでのGメンのやりとり
- 執拗に食い下がる女と関屋の電話でのぶつかり
- 試合継続中のナイター巨人戦に裏と表の交錯する生き様
- 突然の津坂刑事
- 黒木ボスの熱い解説!
Gメン75初の「特報」予告が出た深作欣二監督作品の第二弾であり番組改編期の特別企画作品。
野球場を舞台に、Gメン75オールスタッフと犯罪組織幹部の女との息詰まる戦いを描くハードボイルドサスペンス。
Gメン75DVDボックス(DVD-COLLECTION Ⅰ/東映ビデオ/2009年1月21日発売)解説書の表紙にあるこの回の関屋警部補(原田大二郎)のモノローグは、以降のGメン75の世界観を見事に表現している。
緊迫した展開と、「バーディー大作戦」を思い起こさせるような、黒木警視≒桜田局長、津坂刑事≒一条吾郎、草野刑事≒ドラゴンなど、メンバー全員の軽やかな弾む会話も見どころ。普段あまり見られないようなGメンたちの素顔が堪能できる。
さらに、関屋警部補(原田大二郎)と女(中原早苗)との激しい電話でのやりとり。これがなんとも卓越。
この時のスピーディーなコマ割編集や野球場での駆け引きのぶつかりあいは深作欣二監督ならではの迫力あるシーンだ。後の85話「’77元旦デカ部屋ぶっ飛ぶ!(監督:深作欣二)」と合わせて堪能したい作品である。
なお、特筆すべき点は、この作品の「特報予告」。DVDボックスに収録された特報予告は、CSや地上波再放送(東海地方)とはまた違ったバージョンの予告編だった。
実在する3つの予告編:Gメン75 20話
収録場所・放送局
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冒頭
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タイトル
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(1)CBC(東海地方地上波再放送)/ファミリー劇場/東映チャンネル | ||
(2)デアゴ/DVDボックス | ||
(3)一挙見BD ※映像:(2)と同じ |
2022年1月時点で確認できた予告編は、3つ。
(1)は1986年から東海地方で放送されたCBCテレビ地上波再放送の枠で流れた特報予告。「特報」文字はなく予告編のバックで流れる曲は「Gメン75」のテーマを冒頭から使用するというロングパターン。これは後のCSファミリー劇場、東映チャンネル(2022年2月24日)でも使用された予告編。
(2)はデアゴスティーニのDVDコレクションと東映ビデオから発売されたDVDボックス(DVD-COLLECTION II)収録の予告編集より。「特報」文字がないのは(1)と同じだが予告編のバックで流れる音源は通常の予告編で使われた音源である。予告編の長さは(1)より短い。
(3)は東映ビデオから発売されたブルーレイディスク(SELECTION一挙見Blu-ray VOL1)の本編の前に収録されたもの。ナレーション、音源は(2)と同じだが、「特報」文字があること。以下の画像の部分に、監督、撮影、日付が加えられていた。
なお、本放送時にはどのバージョンが使用されたかが気になるところだが、自分はリアルタイムで20話は見ていなかったので不明。
ただ、本放送時に存在したGメン75ファンクラブ「HARDBOILED79」のある会員の方によると、通常の予告編ではなく「特報予告」だったと当時教えていただいたことがある。
音源や映像確認はできていないのであくまで推測だが、本放送時には(1)のロングバージョンが使用された可能性が高い。最後にナレーションを文字お越しで記録しておきたい。
Twitterでも話題になっており鋭い考察をされている方もいらっしゃいました。
第19話本放送で流れた予告はどちらが正しいのか推理。Gメン’75の番組フォーマット(CM等除く)の基本は本編(OP、ED含む)46:48+予告0:35=47:23。第19話の本編46:13(通常より35秒短い)+ロングバージョン予告1:10(通常より35秒長い)=47:23。第19話本放送で流れた予告はロングバージョンで間違いないと思う https://t.co/a3tdf4nsPK
— マカロニマカ男 (@makaroni1986) February 27, 2022
予告編の違い
(1)ロングバージョン
予告編音楽:Gメン75のテーマの出だしから
ナレーション(芥川隆行):
ハードボイルドGメン75次の活躍は
夜空に白球が踊るプロ野球ナイター長嶋ジャイアンツ
背番号90長嶋新監督の魅力
王が打つ、柴田が走る
熱狂する5万人の大観衆で膨れ上がった球場
だが、その中にGメンオールスタッフで総動員の警戒態勢
Gメン本部に次々と届けられた謎の写真
長嶋、金田、柴田、王、そして最後に往年の大打者・阪神の藤村
この写真は何を意味するのか
煌々たる照明の下で恐怖と戦慄
長嶋ジャイアンツの白熱の試合を表舞台に、その裏でGメン75と犯罪組織との死闘が展開する
次は特別企画「背番号3長島対Gメン」、にご期待ください。
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(2)(3)ショートバージョン
予告編音楽:通常の予告バージョン
ナレーション(芥川隆行):
夜空に白球が踊るプロ野球ナイター長嶋ジャイアンツ
王が打つ、柴田が走る
熱狂する5万人の大観衆で膨れ上がった球場に
Gメン75は厳しい警戒態勢
そこで何が起ころうとしているのか
煌々たる照明の下で恐怖と戦慄
長嶋ジャイアンツの白熱の試合を表舞台に、その裏でGメン75と犯罪組織との死闘が展開するスリル満点の特別企画
「背番号3長島対Gメン」にご期待ください。
Gメン75 20話 放送当時の番組資料
ロケは川崎球場にて。「二日間にわたり、昼夜通して球場を借り切り、述べ200人のエキストラを動員、スタッフ、役者とも不眠不休の労作だった。」
※番組改編期だが「週刊TVガイド(関東版)」誌では画像つきの記事はなし。しかし、この週には以下の様に人気テレビ番組ランキングが掲載されていた。「Gメン75」はヤング部門でランキング圏内だったが同じ時期(1975年4月、5月)に始まった「ザ・ゴリラ7」より下位という結果だった。<正:10月10日号>
当時の土曜夜9時台の番組ラインナップは以下のとおり。<正:10月10日号>
また、この週の刑事ドラマ、アクションドラマには「Gメン75」のほか、以下のような作品がしのぎを削っていた。<正:10月10日号>
土曜日:21時~Gメン75(TBS系)
22時~新宿警察(フジテレビ系)
日曜日:-
月曜日:19時半~刑事くん<3>(TBS系)
21時~プレイガールQ(東京12系)
火曜日:22時~TOKYO DETECTIVE 二人の事件簿(NET系)
水曜日:20時~夜明けの刑事(TBS系)
20時~俺たちの勲章(日テレ系)
22時~特別機動捜査隊(NET系)
木曜日:22時~非情のライセンス<2>(NET系)
金曜日:20時~太陽にほえろ!(日テレ系)
21時~燃える捜査網(NET系)