Gメン75 171話は、海洋ハードアクション編!海上保安庁巡視船が救助したベトナム難民(長澄修・藤真利子)が所持していた金塊の謎!渾身の力を込めた小田切警視(夏木陽介)・大空からの狙撃!空と海に展開する大追撃
第171話 太平洋大捜査網 | ||||||||||
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仮題 | 太平洋大捜査網(※シナリオ#170) | |||||||||
放送 | 78.09.02 | |||||||||
脚本 | 高久進(池田和雄、井口真吾) | |||||||||
撮影 | 下村和夫(1975年度日本テレフィルム技術賞・受賞) | |||||||||
監督 | 内藤誠 | |||||||||
役名(台本) |
ダオ・ティ・キム(ベトナム人の妹) ダオ・ティ・ドク(その夫) ダオ・ティ・ビン(ベトナム人の姉) ファム・チ・タオ(その夫) 岸本敏郎 松崎 古谷 皆川賢一 捜査主任 刑事 三等海上保安官A 三等海上保安官B 三等海上保安官C 警備員三人 航海長 三等海上保安監(官?) |
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出演 | 黒木 | 立花 | 草野 | 中屋 | 山田 | 涼子 | 小田切 | - | - | - |
主演 | 小田切警視 | |||||||||
ゲスト | 藤真利子 長澄修 近藤洋介 佐原健二(西部警察/朝比奈) 北島マヤ 林ゆたか 袋正 土山登士幸 畑中猛重 福田信昭 山口正二郎 伊達弘 山浦栄 グエン・アンシャン |
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主演 | 小田切警視 | |||||||||
備考 |
ベトナム語:字幕スーパー ヘリコプター使用 海上保安庁巡視船登場 |
Gメン75 第171話 太平洋大捜査網 あらすじ(ストーリー)
太平洋上を漂流していたベトナム難民のダオ・テイ・ドク、ダオ・テイ・キム夫妻。海上保安庁の巡視船に救助された二人はポケットの中に金塊を隠し持っていた。航海長がそれを発見し調査にまわしたところ、ドクが所持していた金塊は、数ヶ月前に東京で盗まれたものであることが判明する。
警視庁の小田切警視が動き出した。ドクとキムはベトナム戦争の最中、日本商社の社長に救われ戦後の混乱期にサイゴンから脱出。彼を慕って日本へ向かう途中だったと言う。
小田切は国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に二人の保護を要請した。ドクとキムが漂流していた洋上をヘリコプターで調査していた草野、中屋両刑事はそこでまたもや漂流しているベトナム難民を発見する・・・。海上保安庁とGメンは彼らを救出するが、彼らはなぜか日本人に対し敵意を剥き出しにする。
Gメン75 第171話 太平洋大捜査網 解説・見どころ
- 目的地洋上に不審な船影発見!
- 海上保安庁巡視船協力の大規模な洋上ロケーション
- ベトナム戦争終戦後の混乱を背景にしたテーマ
- 「Gメンの誓い」に乗せたクライマックス
太平洋を舞台に、海上保安庁協力で展開する空と海のアクション編。ベトナム戦争終結後の混乱期に国外脱出を図るベトナム難民受け入れ問題が表面化していた時期。高久進氏お得意の国際問題を軸に、スリリングなアクションでまとめ上げた傑作。
ベトナム戦争のインサートフラッシュも効果的に配置され、ドラマに深みを持たせている。この作品の見所は、何と言ってもクライマックス。金塊密輸団の男たちが、追って来たベトナム難民を射殺。逃走を図るクルーザーめがけて立花警部補(若林豪)の銃声一発!間髪いれず、ヘリコプターに乗り込んだ小田切警視(夏木陽介)が空から追跡するシーン。劇伴「Gメンの誓い」がドラマをいっそう盛り上げる展開は必見!
しかし、残念なことにDVD化から漏れてしまった作品。アクションのみならずテーマ性にも富んでいるだけに残念でならない。
このクライマックスは、高久氏が映像化したかったシーンであることに気付いたのは、放送後かなり時を隔てた90年代末期。古書専門店で入手した21話「ニューヨーク市警黒人刑事」の準備稿「唇に、拳銃」。本編とは打って変わったクライマックスが、「太平洋大捜査網」のクライマックスと酷似しているのだ。
しかも、予定では小田切警視役の夏木陽介氏も登場予定だったこと。そのあたりの裏話をお聞きしたかったが、今となってはなすすべがない。番組改編期の特番作品候補だったのかもしれない。
尚、今回の「太平洋大捜査網」は、特に銘打たれてはいないが、Gメン75 158話「警官だけを殺せ!」159話「刑事(デカ)が銃殺される時」の好評により月一回のハードアクション編を制作することになったシリーズのひとつとしてとらえてもよいと思う。
夕陽を背に、太平洋に向かって旅立つベトナム難民を見守る小田切警視のラストシーンが印象的。逃れてきた日本にも安住の地はなく、再び出口の見えない旅立ちを余儀なくされた難民の姿に、戦争の虚しさを感じずにはいられない。
171話は、「Gメン75DVDコレクション(デアゴスティーニ)」で57号に収録予定。(2021年3月時点)全国発売&全号発売祈願!
Gメン75 第171話 太平洋大捜査網 当時の番宣記事
※週刊TVガイド、週刊テレビ番組両氏とも今回や78スカイアクションシリーズ、78香港マカオロケシリーズの単独グラビアや特集記事は見当たらなかった。
※当時の番組改編期資料。土曜夜9時台は激戦区となっており「Gメン75」を取り巻く強敵として「太陽にほえろ!」のOB、現役キャスト、制作陣をそろえた「姿三四郎」が挙げられていた。
対抗するGメンは安定した視聴率を保っていた時期でもあったが、「香港ロケなど海外ロケ作品を用意(TBS)」とPR。
香港ロケのみならず、今回の海洋アクション、続く78スカイアクションシリーズ、高層マンションでの空撮モノと続々パノラミックな作品を連打した理由の諸事情が伺える。「キイハンター」を源流とする本家アクションドラマの実力を再度世に知らしめたようなカタチとなった。
以上の背景があり、後の「香港カラテ対Gメン」前編の中屋刑事(伊吹剛)の名セリフへと続いたのではと思われる。
本放送当時の刑事、アクションドラマ
【土曜】
21:00~「Gメン75」(TBS)
【日曜】
-
【月曜】
21:00~「大空港」(フジ)
21:00~「新幹線公安官(シーズン2)」(テレ朝)
【火曜】
21:00~「大追跡」(日テレ)
22:00~「刑事コジャック(USA)」(TBS)
【水曜】
20:00~「明日の刑事」(TBS)
22:00~「特捜最前線」(テレ朝)
【木曜】
-
【金曜】
20:00~「太陽にほえろ!」(日テレ)
20:00~「七人の刑事(シーズン4)」(TBS)
21:00~「東京メグレ警視シリーズ」(テレ朝)
※当時は大学受験。愛知在住の自分は本放送では、「Gメン75」「新幹線公安官」か「大空港」、「大追跡」しか毎週視聴できなかった思い出。再放送もアツく夕方の「二人の事件簿」や深夜の「キイハンター」があったためコレが限界だった。(泣笑