ザ・サスペンス「女囚第3監房の脱走」Gメン75の江波杏子・范文雀・中丸忠雄・小林稔侍をキャスティングした犯人側の事情から描く捜査ドラマ
殺意の肖像|ザ・サスペンス・Gメン75デモンストレーション(3) | |
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新聞タイトル | 女囚第3監房の脱走・お母ちゃん!鉄格子を越えて呼び合う母と子の愛 |
原作 | -(オリジナル) |
放送枠 | ザ・サスペンス(土曜夜9時) |
放送 | 1982.11.27 |
脚本 | 高久進 |
撮影 | 下村和夫 |
監督 | 下村和夫 |
プロデューサー | 近藤照男、樋口祐三(TBS) |
テーマ曲 | 義野裕明氏のオリジナル曲 |
音楽 | 義野裕明 |
出演 |
江波杏子<加納圭子> 范文雀<谷口初江> 中丸忠雄<津本警部> 丹阿弥谷津子<加納昌代> 近石真介<浮田徳治> 上月左知子<浮田安子> 小林稔侍<白鳥警部補> 梅津栄<佐竹音吉> 児島美ゆき<田尻ルミ> 阿藤海<村上竜治> 三角八朗<村上猛> 杉江廣太郎 出光元 矢野間啓二<松永次郎>、徳弘夏生、高野真二、谷本小夜子、大塚良重、下川江那、柴田一幸、三重街恒二、山田光一、山浦栄、木村修、武田博志、佐々木修平、山口正一郎、小暮桂子、小野塚千枝子、団龍二、東郷明美 |
登場人物 (台本) |
加納圭子(江波杏子)(32才)※看守長 谷口初江(范文雀)(27才)※女囚 津本警部(中丸忠雄)(47才)※警視庁捜査一課キャップ 白鳥警部補(小林稔侍)(35才)※警視庁捜査一課 加納昌代(丹阿弥谷津子)(50才)※圭子の母 村上竜治(阿藤海)(30才) 村上猛(三角八朗)(35才)※縫製業 松永次郎(矢野間啓二)(27才)※村上の仲間 田尻ルミ(児島美ゆき)(21才) 浮田徳治(近石真介)(40才)※鉄工所の主人 浮田安子(上月左知子)(35才) 浮田陽一(7才) 佐竹音吉(梅津栄)(57才)※駄菓子屋の親父 佐竹よね(55才) 谷口忠雄 所長 教護課長 部長刑事 捜査員A 捜査員B 捜査員C 看守 女の看守 交番の班長 婦人警官 人相の悪い男 車掌 若い娘 若い母親 中年の女 模範囚 近所の子供 圭子の夫 圭子の娘 アナウンサー 二歳の陽一 一歳の陽一 捜査員たち パトロール警官たち 女囚たちA 女囚たちB 女囚たちC 女囚たちD 女囚たちE |
ロケ地 | - |
7年に渡って放送された「Gメン75」(1975年5月24日-1982年4月3日)はスペシャルを含めて全355話。当時、TBSの局方針により土曜夜9時の番組枠を2時間ドラマに変更しなければならなかった。そのため退陣を余儀なくされた「Gメン75」だったが、同年10月に時間帯を変えて再スタートを切ることが既に決定していた。
「Gメン82」が始まるまでの間、TBSの2時間ドラマ枠「ザ・サスペンス」で、「Gメン75」スタッフによるGメンタッチのサスペンスドラマが3本企画された。
今回の「女囚第3監房の脱走」のほか「柿の木坂の首吊り殺人事件」(丹波哲郎)、「殺意の肖像」(若林豪)である。
厳密に言えば「女囚第3監房の脱走」は「Gメン82」スタート後の放送になってしまった。
ともあれ、音楽、キャスト、ストーリーは「Gメン75」にかなり寄せた作風でファンにとっては嬉しいプレゼントでもあった。
1980年代、90年代前半くらいまでは地上波でも時折再放送されたが、「女囚第3監房の脱走」もその後はCS放送「ファミリー劇場」で1度再放送されただけ。2020年時点では70年代、80年代のドラマの再放送も少なくなり鑑賞する機会が減ったのは残念すぎる。
頼みのCS・2時間ドラマ枠でも「〇〇刑事の△×シリーズ」のようなシリーズものばかり繰り返し放送するのもいいが、単発ものの作品にも良作が隠れてることに局も気づいてほしい。ベストフィールド社あたりでソフト化されることにも期待したい。
ザ・サスペンス「女囚第3監房の脱走」 あらすじ
鉄工所を経営する夫婦の子供が誘拐され、身代金・5000万円を要求する電話がかかってきた。警視庁捜査一課の津本警部、白鳥警部補が動き出す。
誘拐された子供・陽一は養子縁組された子供で、実の母親は刑務所に服役する女囚・谷口初江だった。初江の夫はクラクションを鳴らしたことで殺され、残された初江と陽一は生活苦に陥っていた。
そんな中、初江は現実逃避のため覚せい剤に手を出し、誘拐事件の共犯という濡れ衣を着せられた上、逮捕されたのだった。刑に服すとき、やむなく幼い陽一を養子に出すことに合意。無念さを募らせたまま収監となる。
そんな初江だったが、あと1週間で刑期を終え出所することになった。しかし、陽一誘拐事件を知った初江は、出所前の市内歩きの時、看守長・加納圭子の一瞬のスキを突いて逃走。東京へと向う!
ザ・サスペンス「女囚第3監房の脱走」 ポイント
- 女囚役に賀川陽子刑事(范文雀)
- 刑務所の看守長役に津村冴子警部補(江波杏子)
- 警視庁捜査一課警部役に結城警視正(中丸忠雄)部下役で後の鬼沢室長(小林稔侍)
- Gメン75タッチの展開、設定、ロケ地
- Gメン75タッチの劇伴
- 劇伴の一部は「Gメン82」へ継承
- Gメン75でおなじみのキャスト陣
- Gメン75でおなじみのスタッフ陣
「Gメン75」の制作スタッフが贈る「Gメン75」「Gメン82」デモンストレーション作品・第三弾!江波杏子、范文雀・主役作品。
「柿ノ木坂の首吊り殺人事件」「殺意の肖像」は刑事側から人間を描くドラマだったが、今回の「女囚第3監房の脱走」は犯罪者側から人間を描くドラマで、警視庁捜査一課・津本警部役(47才)で中丸忠雄、白鳥警部補役(35才)で小林稔侍が画面を飾るというGメンカラー。
警察側の追う姿とともに、人がなぜ犯罪に走ったかを丁寧に描いた「Gメンスピリッツ」が「女囚第3監房の脱走」にもギッシリ詰まっている。できることなら「柿の木坂の首吊り殺人事件」「殺意の肖像」そして今回の作品と三本セットでブルーレイ化していただきたいものだ。
今回の音楽は上述の2作品で起用されたピエールポルト氏作曲のものは無く、全て義野裕明氏のオリジナル曲で構成された。曲調は往年の「Gメン75」末期そのもの。一部の曲は「Gメン82」へと継承されている。
そしてクライマックス。救出された子供が真っ先に駆け寄った人は。Gメン75のようなハードボイルドタッチで締めくくるフィナーレが切ない。