No.35 東京−沖縄 
      華やかな大追跡

             (脚本)佐藤純弥、小山内美江子(撮影) 林七郎(監督)山内柏
             (出演)田中 力、光川環世、勝部演之、平泉征、原 泉、中田博久、南原宏治、杉江廣太郎
                                       三重街恒二、西本良治郎、打越正八、木村修、田中力ほか
                  ユセフオスマン、トニーマトブ<クレジットなし>

             (協力)全日空、沖縄ヒルトンホテル <クレジットなし>

 ☆本土復帰の翌年に沖縄でロケしたシリーズの第一弾。
 第二弾は、No.40「暑い南の島のストーブリーグ戦」。
 「キイハンター」の頃はアメリカ占領下だったため、海外ロケ扱いであったが、今回は国内ロケ。
 しかし、右側通行の道路や、軍事基地のカットなどから、当時の沖縄の姿が垣間見える
 作品となっている。

    
<参考>占領下の沖縄でロケしたアクションドラマ
            キイハンターNo.27「殺しの招待旅行」、No.28「太陽に帰った殺し屋」
            ザ・ガードマンNo.66「沖縄に直行せよ」No.341「ヌードの悪女華やかな私生活」
                      No.343「お色気喜劇浮気結婚式!」


 この作品は、冒頭のコミカルなやりとりを除いては、全編シリアスな展開で、占領下の沖縄の
 問題や地上戦で多くの人間が命を失ったという史実を絡めたサスペンスとなっていた。
 2007年2月20日にCSで34年ぶりに再会できた作品。
 本放送で見た記憶通り、実に重厚なストーリーであった。「Gメン75」沖縄シリーズの原点とも
 いえる作品だと思う。
 ストーリーは『キイハンター』No.34「墓を掘る殺し屋たち」を下敷きにしてはいるものの、戦争
 当時やアメリカ占領下の沖縄の苦悩を絡めながら醜い人間の欲と野望を浮き彫りにしている。
 裕二が沖縄で出会った老婆は、Gメン75の傑作・沖縄3部作にも出演された原泉さん。
 今回は、自らが歌う古い沖縄民謡に想いをこめたシーンが印象的であった。
 字幕が圧巻。本放送時、見入ってしまった記憶が鮮やかによみがえってきた。
 米軍幹部役のユセフ・オスマン氏をはじめGメン沖縄編でもお馴染みの俳優さんが登場されて
 いるのも嬉しい。
 記憶にとどめておきたい作品のひとつである。
 

 −あらすじ−
>>参考作品 キイハンターNo.34Gメン75沖縄シリーズNo.232
 師走の新宿。裕二はスリを捕まえようと追跡していた。
 しかし、スリの老人は車に轢かれてしまう。裕二に日本軍の遺品・日章旗と紙張子の鳩を渡し、
 「持ち主の與那原に返してくれ・・」という一言を残して死亡。
 その遺品の日章旗には、沖縄で戦死した裕二の父親・裕太郎の名が。
 裕二は、遺品を持って、ひとり父の面影を求めて沖縄へ飛ぶ。
  沖縄で與那原を探していた裕二は、謎の男と女に尾行される。
 そして宿泊先の客室で、琉球カラテを使う謎の殺し屋に狙われる・・・!
 28年前、沖縄県民が戦争遂行のため日本軍に供出した時価3億円のダイヤを巡って

 與那原は、射殺されていた。犯人は松岡貿易の社長・松岡剛三。
 殺しの現場を見ていた波照間と具志堅は、松岡がダイヤのありかを知っているものとにらみ
 松岡を脅して沖縄へ飛ぶ。
 ダイヤの隠し場所へ向った三人は、ダイヤが無いことに気づく。
 松岡は波照間と具志堅に與那原が生きていることを知らされる・・・。
 


  俺の親父は、俺がお袋の腹の中にいるとき、
裕二と名を付けて沖縄で戦死したんです・・・

 
 

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