メン75制作エピソード  
        −今回は「平凡スタア」誌より要約引用

 ☆本放送当時、「週間TVガイド」誌などに作品のあらすじが掲載されていたのは、皆さんご存知かと思います。
 作品によっては、あらすじのみならず撮影秘話や面白いエピソードが添えられていたものもありました。
 本放送をご覧になられた方には、その時の雰囲気を懐かしんでいただき、ご覧になられたことがない方には
 当時の空気を少しでも感じていただけたら・・と思います。
 てもとにある資料に基づき、紹介して行きます。末期の方が掲載枠も大きいため順に遡って行く予定です。
 全話揃っていませんので、あらかじめお断わりしておきます。(_ _)



 
 
 
 
↑兇悪脱獄囚との
   最後の死闘!
 
 No.33 1月3日 関屋警部補・殉職 
        (脚本)高久進(撮影)下村和夫(監督)鷹森立一
        (出演)溝口舜亮、土井かつえ、東晃声、内藤杏子、根岸一正、小林稔侍ほか


 
警視庁捜査一課出身バイタリティあふれる若き警部補・関屋一郎最後の捜査線

 
 週刊TVガイド誌 関屋警部補最終編

  
週刊TVガイド誌の記事より(写真は第一話から流用)

  


 ★原田大二郎はなぜ殺されたのか?スタジオルポ Gメン75
 −平凡スタア(76・3月号)<文:加藤仁>より抜粋−

 


 冷たい北風が肌を刺す真冬の昼下がり。14階建ての高層アパート群が林立する高島平
 団地(東京・板橋区)の一角に、白いベンツが静かに止まった。
 「おはよォス!」
 黒いスーツ姿の倉田保昭が、さっそうと降りてくる。すかさずスタッフの一人が駆け寄って
 、きょうの撮影スケジュールを手短に告げた。
 「大ちゃん(原田大二郎のニックネーム)は、3時に死にます」
 つづいて、藤木悠が愛車オペルに乗ってあらわれる。あわててストップをかけたのか、
 キーッと急ブレーキの音が響く。
 その助手席には、岡本富士太がちょこんと同乗していた。
 腹を突き出して歩いてる藤木に、団地内をパトロール中の警官がサッと敬礼。
 これには岡本もビックリした。
 「さーすが!藤木さん。本職のお巡りさんに挨拶されるなんて!」
 「そりゃ、岡本クンとはキャリアがちがうよ」
 大きく胸を張る藤木は、『アイフル大作戦』、『バーディー大作戦』、そしてこの『Gメン75』
 (いずれもTBS系)と、一連のこの時間帯のドラマでは、ずっと刑事役ばかりやっている
 からだが、「でも万年ヒラ刑事でしょう。早く出世してくださいよ」
 岡本も負けずにやり返した。・・・・(中略)・・・・
 
 「テスト!ヨーイ、スタート!」
 鷹森監督の声が寒空にこだまする。14階建ての屋上にカメラをすえて、いよいよ
 クライマックス・シーンの撮影だ。
 血ノリ用の真っ赤な塗料を壁にベットリと塗り、その前で原田は凶弾に倒れるシーンを
 繰り返し練習する。頭から前のめりに一回転するたびに砂ぼこりが舞い上がり、
 コンクリートに頭をぶつけるゴツンという不気味な音まで聞こえる。
 濃紺の背広はみるみるうちにほこりまみれになる。髪の毛もザンバラ。そのたびに、
 メークの女性スタッフがかけよって顔を直す。
 「大ちゃん、倒れるときのタイミングに注意して!」
 鷹森監督の容赦ない注文に、わきでじっと見守る丹波や夏木らレギュラーメンバー
 たちの顔も真剣そのものだ。・・・・後略・・・

 
 
 リクエストしていただいた方がいらっしゃいましたので、一部ですが、画像をUP
 
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★Gメン75初の殉職捜査官となった関屋一郎警部補。
 No.22「警視庁殺人課」を最後に欠場した後、No.32「死んだはずの女」で復帰。そして
 翌週にあたる今回でいきなり殉職・・。このシチュエーションは、当時一大旋風を巻き起こ
 した。長髪でドッレッシー、バイタリティあふれるリーダーシップで土曜夜9時に新風を
 吹きこんだ若き警部補の突然の降板に、多くのファンが涙した。
 その死は、クライマックスまで予感できない展開だった。
 脱獄犯・遊佐を発見、追跡、そして壮烈な銃撃戦!絶妙な編集テクニックもクライマックス
 を一気に盛り上げる!かくしてGメン75で最も印象に残る最終編となった。
 思えば第一話、結婚を誓い合ったフィアンセ・節子を失い、失意と哀しみを背負って
 登場した関屋警部補。
 脚本・高久進、撮影・下村和夫、監督・鷹森立一・・・・、第一話と同じ巨匠がラストをも
 手がけるという贅沢さ。
 関屋一郎警部補は、正に「Gメン75」の黎明期に重要な役割を果たしたレギュラーだった
 という証であろう。
 
 

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