Gメン75エピソード・ガイド 制作エピソードがない作品はあらすじのみ紹介して行きます。 |
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↑No.171 空と海の大包囲網! |
No.171 太平洋大捜査網 (脚本)高久進(撮影)下村和夫(監督)内藤誠 (出演)藤真利子、長澄修、近藤洋介、佐原健二、グエン・アンシャンほか −あらすじ− 太平洋を舞台に、海上保安庁協力で展開する空と海のアクション編。 ベトナム戦争終結後の混乱期に国外脱出を図るベトナム難民受け入れ問題が 表面化していた時期。 高久進氏お得意の国際問題を軸に、スリリングなアクションでまとめ上げた傑作。 ベトナム戦争のインサートフラッシュも効果的に配置され、ドラマに深みを 持たせている。この作品の見所は、何と言ってもクライマックス。 金塊密輸団の男たちが、追って来たベトナム難民を射殺。逃走を図るクルーザー めがけて立花警部補の銃声一発! 間髪いれず、ヘリコプターに乗り込んだ小田切警視が空から追跡するシーン。 劇伴「Gメンの誓い」がドラマをいっそう盛り上げる展開をぜひ堪能してほしい。 しかし、残念なことにDVD化から漏れてしまった作品。 アクションのみならずテーマ性にも富んでいるだけに残念でならない。 このクライマックスは、高久氏が映像化したかったシーンであることに気付いた のは、放送後かなり時を隔てた90年代末期。 古書専門店で入手した「ニューヨーク市警黒人刑事」の準備稿「唇に、拳銃」。 本編とは打って変わったクライマックスが、「太平洋大捜査網」のクライマックスと 酷似しているのだ。 (シナリオ検証参照) しかも、予定では小田切警視役の夏木陽介氏も登場予定だったこと。 そのあたりの裏話をお聞きしたかったが、今となってはなすすべがない。 番組改編期の特番作品候補だったのかもしれない。 尚、今回の「太平洋大捜査網」は、特に銘打たれてはいないが、 「警官だけを殺せ!」「刑事(デカ)が銃殺される時」の好評により月一回の ハードアクション編を制作することになったシリーズのひとつとしてとらえても よいと思う。 夕陽を背に、太平洋に向かって旅立つベトナム難民を見守る小田切警視の ラストシーンが印象的。 逃れてきた日本にも安住の地はなく、再び出口の見えない旅立ちを余儀なく された難民の姿に、戦争の虚しさを感じずにはいられない。 |