No.55 探偵専科 
      
愛と死のたわむれ

              (脚本)佐藤純弥(撮影)吉田重業(監督)佐藤肇
              (出演)北林早苗、麻田ルミ、ケン・サンダース、フランツ・グルーバー、
                   浜田ゆう子、轟謙二、浜田晃、田辺進三、田川恒夫、奥野匡、河合弦司
                   西本良治郎、木村修、安達由紀、朋みはや

 ☆アイフル終焉2部作。
 この回で、丘大介(西田健)の妹美代子(麻田ルミ)が登場。事件に巻き込まれ死亡。
 そして、刑事くずれの謎の探偵・南条京太郎(杉浦直樹)の正体が全て判明する。
 警視庁を辞職した理由、フィアンセとの悲劇的な過去がシリアスに描かれる。
 (アイフル、バーディには珍しくコミカルなシーンはかなり押さえられている。)
 南条の警官時代の回想シーンは見ごたえいっぱい。
 今までの色男のイメージはなく、Gメン75タッチのハードな演技は新鮮。
 このままGメンに加入してほしいほどのキャラクターである。

 作品には「Gメン75」でもお馴染みのBGM(No.171「太平洋大捜査網」冒頭、
 海上保安庁巡視船がベトナム難民を救助し、航海するシーンでサブタイトルが出る
 までに初めて使用されたもの)と「追想」の原曲BGMがふんだんに挿入されている点
 も興味深い。
 日本を舞台にした国際的な諜報機関の陰謀に巻き込まれた男と女の非情な末路を
 ハードボイルドタッチに描いた秀作。

 南条京太郎の設定は、同じ近藤照男氏の作品「一匹狼 ローンウルフ」の主役・
 響 裕二(天知茂)をベースにしている。
 この設定はのちの『Gメン93春 第一級殺人の女』唐沢警部(中村雅俊)に影響を
 与えている。
 南条の下宿生活シーンは、『Gメン75』草鹿刑事にスライドされている点も末尾に
 記しておきたい。

−あらすじ−
 警視庁公安三課から追出刑事に廻ってきた女性の写真。
 それを見た南条の顔色が変わった。南条にとっては苦い過去だった。
 5年前、<追わないで・・>とのメモを残し、挙式会場から姿を消したフィアンセ・悦子
 の姿だった。南条は本庁の捜査員とともに真相を追い、彼女が某国大使館員ととも
 に日本を出国した事実をつきとめる。
 スパイの活動に甘い日本の国家体制を利用し、某国は敵対する東側大国と日本
 国内で諜報戦を展開していた。
 悦子は警視庁の動向を探るため某国諜報機関が南条に接近させたスパイだった。
 真相を求めて大使館へ不法侵入した南条の行為は、国際問題となった。
 南条は問題が拡大するのを嫌った警視庁上層部の判断で懲戒免職。
 警官を辞職せざるを得なくなったのだ。
 その悦子が日本に戻っている。しかも某国の諜報活動の重要参考人として警視庁
 公安課にマークされている。
 南条は、アイフル・スタッフの協力を仰ぎ、真相をつきとめようとするが・・・。




人間はいつになったら、
 平和に愛し合えるのだろう・・・


 

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