メン75制作エピソード  
        −今回は「スタア」誌より要約引用 資料提供:関屋二郎さま

 ☆本放送当時、「週間TVガイド」誌などに作品のあらすじが掲載されていたのは、皆さんご存知かと思います。
 作品によっては、あらすじのみならず撮影秘話や面白いエピソードが添えられていたものもありました。
 本放送をご覧になられた方には、その時の雰囲気を懐かしんでいただき、ご覧になられたことがない方には
 当時の空気を少しでも感じていただけたら・・と思います。
 てもとにある資料に基づき、紹介して行きます。末期の方が掲載枠も大きいため順に遡って行く予定です。
 全話揃っていませんので、あらかじめお断わりしておきます。(_ _)



  
 


 


 

 
 
 No.8 裸の町 
        (脚本)池田雄一(撮影)下村和夫(監督)鷹森立一
        (出演)河原崎建三、児島美ゆき、室田日出男、川谷拓三、梅津栄、東島祐子ほか


エピソードガイド
 ★人間接写●原田大二郎という男
 −スタア(75・9月号)<文:小林栴>より−

 ・・・(略)「ほんとうに、この世界(芸能界)の人間て、不思議ですよね。大の男がさ、一日中
 こんなところでブラブラしていてさ。やることといやぁ、子供みたいにピストルかざして、ね。
 エ、出番?さあ、いつになることやら」
 するとそのとき、はるか遠くの撮影隊から、待ちに待ったお声がかかった。
 「おーい、大ちゃん、出番だよォ」
 彼は脱ぎ捨てていたスーツをはおり、勢い込んで駆けつける。
 「ピストルはどこ?いや、そっちのほうがいいな。これ、チャチだもの」
 そのピストルは腰につけるだけのものだ。しかし第一線のGメンとしては、腰にピストルの
 重みを感じないことにはサマにならないらしい。
 巨大な橋桁の陰にかくれて、麻薬団の取り引きを窺うシーン。
 本番直前、彼の顔に噴霧器から水滴があびせかけられる。するとたちまち、汗の噴き出た
 たくましい男の顔ができあがるというわけだ。
 「大ちゃん、ちょっとかがんでみて、よし、行くよ。ハイ、本番!」
 ほんの数秒のシーン。終わって、ヘナヘナと地面にへたり込む原田。
 「さて、つぎなる出番は何時間あとかいな。」・・・(以下略)

  
中国地方の新聞

 

  スタア(75・9月号)より

 

 当時の原田大二郎人気が肌で感じられる特集記事だ。全ページご紹介できないのが残念。
 
スタア資料提供:関屋二郎さま
 

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 ★放送は7月12日であったが、実際の撮影は1ヵ月前の蒸暑い日と思われる。
 この作品で特に印象に残っている点は、大胆な潜入捜査に「キイハンター」の名残を感じた
 ことと、工場地帯でのじりじりと照りつける夏の太陽、張り込むGメンらの顔の噴出す汗。
 工場から吐き出される煙突の煙に、渋滞する車、車、、、。
 大都会・東京を画面から通して感じたことであった。
 ロケ地は、上記「スタア」誌によると、東京湾に張り出した神奈川県鶴見の大黒町埠頭だ
 ったそうだ。

 
 
この張り込みシーンが実に臨場感たっぷりで、待つ時間の長さを感じたものだった。
 後のNo.60「暑い南の島 沖縄の幽霊」、No.166「女医の告白」などでも再現される夏の日
 の長い長〜い張り込みシーン。

 
Gメン以前の近藤照男プロデュース作品では見られないシーンであった。
 
噴霧器の水滴がなくてもスーツ姿で上着まで着せられたら十分汗が噴出すと思われる
 のだが・・。(^^)

 
画面を見ていると、関屋警部補のみならず、山田刑事、津坂刑事、草野刑事、
 響刑事・・・、皆、したたる汗をぬぐいながらの厳しい撮影だったに相違ない。

 
 

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