No.208 さらば 
     超望遠銃の標的 
  
                (脚本)池田雄一(撮影)下村和夫(監督)井上昭
                (出演)江美早苗、酒井修、小池朝雄、フランク・ジョーンズ、木村元、
                     深沢英子、団巌、小野川公三郎ほか

                
(登場レギュラー)啓子、吹雪、、ユミ、風間  
             
(主役)


 ☆<追想>の原曲と、もの哀しいピアノの旋律に乗せて贈る70年代初頭の若い男女
 の純愛エレジー。今回のキイハンターは刑事ドラマ・タッチ。
 クライマックスから始まる怒涛の序章は、「Gメン75」を思わせる構成である。
 恋人の姉を殺した外交官への復讐は、若者を育んできた境遇、社会への反動と
 相俟って無謀な凶行へと駆りたてる!
 アフリカの自然に憧れた純粋な若者と彼に共感した恋人の末路。彼らに絡む島の
 活躍をハードボイルドタッチで描く。
 「Gメン75」No.51「刑事訴訟法47条 女子大生ジャック」、No.274「東京原宿族 この
 夏の犯罪」などと共通する部類の作品である。
 パトカーや機動隊に包囲された緊迫した状況などキイハンターでは珍しいシーン
 も登場。
 <追想>の原曲が流れる作品は「拳銃P-007大捜査網」や「女体に捧げる犯罪」
 など末期にいくつか制作されたが、もともと近藤照男プロデューサー制作の刑事
 ドラマ「刑事さん」の曲であるがゆえ、今回同様、刑事ドラマ風の作品によくマッチ
 する。当時の若者の心理を叙情的に描写する下村和夫カメラマンの映像表現も
 印象的である。
 それにしても、「・・次は、さらば超望遠
の標的」・・とナレーションされた芥川氏の
 予告編。思わず顔がほころんでしまった。(^^) 
 
次週は4月1日放映のコミカル編。島ちゃんの活躍を見比べてみるのも面白い。
 
−あらすじ− 
 伊豆高原のガソリンスタンドをライフル銃で占拠した若者・誠とその恋人・千枝子。
 誠は某国外交官・ターリフを連れてくるよう包囲した静岡県警に要求を突きつける。
 要求に応じなければ、ガソリンスタンドを爆破するという。
 誠の身を案じる島が現地へ急行するが・・・。
 事件の発端は、ホステス絞殺事件だった。殺しの容疑者はターリフだった。吹雪らの
 捜査網は外交官特権の壁に阻まれ思うように行かない。
 島は殺しの現場にあった指紋がターリフの指紋である証拠を掴もうと、彼が出入する
 クラブを連日張り込んだ。
 そんなある日、殺されたホステスの妹・千枝子がクラブに現れた。姉のいた店で働き
 たいと言う。そんな千枝子にターリフが目をつけたことから悲劇が始まった・・・。
   

     



 俺があと一時間早く・・・ 
 ターリフを捕まえさえしていたら・・




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