No.163 南の海を渡る 殺人部隊 (脚本)佐藤純弥(撮影)瀬尾修(監督)村山新治 (出演)清水まゆみ、山本耕一、加藤嘉、佐々木功、北村総一郎ほか (登場レギュラー)啓子、吹雪、島、ユミ / 小田切 (主役)小田切 ☆長期化する当時のベトナム戦争を背景に、戦争に巻きこまれた人々の人間模様を、心理を、 運命を、ハードボイルド・タッチで描く社会派ドラマ。 国家間の戦争犯罪に対する痛烈な問題提起。 ユミと島が泥沼化する当時のベトナムの戦場写真展を訪れる序章。 理由の如何を問わず、人間が起こした愚かな行為の裏で罪もない一般市民が傷ついている という現実を感じずにはいられない描写であった。 「アイフル大作戦」「Gメン75」の沖縄シリーズなどでもお馴染みの史実を絡めた重厚な展開。 戦争の現実と平和に向って何かをしなければ・・という当時の世相が覗える貴重な作品だが、 ユミちゃんのラストの一言。大半の一般人が感じていたものであり、痛烈な社会批判とも 考えられ「Gメン75」の原点が覗える制作手法も興味深い。 捜査ドラマにおいて、フィクションであっても、ここまで現実を感じさせてくれた作品はあったで あろうか。この手法は、近藤照男プロデュース作品の全てに貫かれている姿勢である。 −あらすじ− 東南アジア某国では、長期化する戦争で人が傷つき、命を奪われる日々が続いていた。 某国独立党日本支部では、資金を得るため一億円の麻薬を日本で売ろうとしていた。 その動きを探っていた国際警察特別室の小田切は、独立党の一員・幸子の情報を得て麻薬 取引の現場を押さえようとしていた。 だが、取引に現れた党員・洪の証言から、小田切は幸子と仲間の楊が麻薬を一人占めしたと にらむ。 しかし、楊が何者かに殺され、幸子が取引相手の組織に誘拐されてしまった。 独立党の劉の話から、事件はさらに深刻な様相を呈しはじめる・・・。 |
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