撮影所見学・ある昼下がりのGメン本部撮影風景・・・・・・・・・・
Gメン82 No.2 アイドル歌手トリック殺人 脚本/小松範任 撮影/原秀夫 監督/小松範任
  
    

−2007年3月撮影−放送当時は駐車場の場所にGメンスタッフルームがあった。

              

★シーン54<Gメン・ルーム>

 黒木の困惑した表情。前に立花、沢田、島。
 
立花「警視正。車のナンバー、型と色、時間と帰り道のコース。
    
 ・・・それにマンションの夫婦の証言・・・偶然といってもこれだけ重なると・・・」
 
黒木「判った。だが、中里ユキは交通安全のキャンペーンガールだ。
     日本の津々浦々まで、警察のシンボルとして知れ渡っている。
     それに殉職された父親は長官より二階級特進の栄誉を受けられた方だ」

 
沢田「・・・」
 
黒木「事は警察全体の威信に関わる問題だ。・・・立花、君から母親の中里治子に糺してみてくれ」
 
立花「はい」


★シーン59<Gメン・ルーム>

 陽子が入ってくる。
 沢田が立ちあがって報告を待つ。
 黒木、立花、島が迎える。
 陽子「リストの車は全部当たりました。疑わしい車は1点もありません」
 
黒木「沢田たちのリストにも全てシロだ。たった一台、中里ユキの車を除いてな!」
 
陽子「あのアイドル歌手がひき逃げを?!本当ですか」
   
 陽子、思わず沢田を見る。
 
沢田「・・・」
 
立花「証拠は何もない。しかし、容疑は極めて濃厚だ。麻薬密輸ルートを暴くたった一つの
     手がかりだ。明日、中里ユキが日本を発つ以前に出頭してもらう以外ないな・・」

 

 
 
沢田「・・・」
 
黒木「沢田!どんな人間にも魔がさすという事が有る。
    俺達も恐ろしい犯罪に足をすくわれないとも限らない。犯罪の可能性はすべての人間に有る。中里ユキとて例外ではあるまい。」

 
沢田「・・・」
 
黒木「問題はその先だ。口を拭って罪を隠すか、潔く罪を償うか・・・・お前の気持ちは判るがな・・・」
    
立花、陽子、島、沢田を瞶る。
 
沢田「殺人容疑で・・・中里ユキの逮捕状を取ってください」
    
うなづく黒木。


◇回顧録 

本放送当時、Gメン75シリーズのファンクラブ「HARD BOILED79」(本部・長野県)が存在しました。
活動内容等は、機会があれば紹介させていただくことにしますが、その活動の一環として、東京大泉撮影所への撮影見学がありました。
当時の東京支部の方々のご尽力でセッティングしていただいた企画で、私もはるばる上京し参加することとなりました。

撮影所見学の詳細記録が残っていたのは、この回のみで、当時のメモを元に出きる限りの記憶を振り絞って、再現してみます。
「キイハンター」の頃から土曜夜9時のアクションシリーズを見続けていた私にとって、数々の撮影所訪問は忘れがたい想い出となって
今も心に残っています。

この撮影所見学の前か後だったか記憶が忘却の彼方に行ってしまいましたが・・、皆で某駅構内?の地下?にある喫茶店で、
ファンの集いのようなものを会員同志で開いた記憶があります。
スタッフに強力な知り合いがおられた方や、丹波道場に通われていた方々の貴重なお話を楽しく伺ったものでした。

現代はインターネットでGメンファンとの交流が可能となりましたが、当時はこのような私設ファンクラブが交流の拠り所となっていました。
今も当時と変わらぬ熱烈なGメンシリーズファンが存在するということは、半世紀を経ても色あせない番組の底力を感じずにはいられません。
CSや地上波の再放送を見て、今も尚、感動できる番組がそんなにあるでしょうか?

名作「Gメン75」シリーズ(私にとっては「キイハンター」からの全てのシリーズですが)を世に生み出していただいた当時のスタッフ、出演者の
皆様の今後のご活躍を願わずにはおれません。

◇見学日記 
82年10月11日(月)
12時頃・練馬区大泉撮影所に到着。
曇りのち時々雨

撮影所に向かう立花、沢田、賀川、島のGメンに出会う。黒木ボスにも出会い
思わずかけより抱きつくわたくし。笑顔で受けとめて下さったボス。

13時頃・スタッフの方の案内でGメンルームのセットに案内される。
現場スタッフは約17人から20人。
本番以外は、和気藹々といったなごやかなムード。
黒木ボスがスタッフ、共演者に冗談を連発し爆笑させる。

見学者:私、友人O氏、O氏の友人数名、親子風のふたり(差し入れ物持参)

早坂警部補は午前中で帰宅されたとのことだった。
午前中は沢田刑事のバースディで簡単なパーティがあったとか。
(撮影終了時には私らにもケーキのおすそ分けがありました。感激)

撮影現場は、裏から見たら、さながら建設現場のよう。
Gメンルームの壁はベニヤのような仕様で、75の時は薄いグレー。
82では明るいオフホワイトに変更。

ロッカーの順は、黒木、立花、早坂、賀川、沢田、島。津村警部補は・・・???
リハーサル2回。本番1回。
一つの場面が終了すると、隠してあった台本を読みセリフ暗記にはげむGメン!
その間照明、カメラ位置、ブラインドの向きを変更するスタッフ。
撮影終了は18時頃。

その後、第1話のラッシュフィルムをキャスト、スタッフの皆さんとで拝見させていただいた。
立花警部役の若林豪さんが、ご自分のシーンをご覧になられて、「警察があんなこと
(懇願する暴走族を蹴る)しちゃー、いけないよな、あれはひどすぎるよ。」と仰っていらした
のが印象的。(^^)
本編のほかに第2話も含めた編集前のカット(飛行機の離着陸シーン、倉田まり子さんが
運転する車を数人のスタッフが押して動かすシーン、ハイビスカスを延々と映すシーン)など
貴重なフィルムも拝見できた事は良い想い出となった。
第1話放送の6日前のことであった。

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