○山田刑事 | ||
☆強面のGメンの中ではハードボイルドにして人情派という異色の捜査員。 ただ単に情をかけて、犯人に救いを差し伸べるのではなく、現場叩き上げの苦労を 重ねた経歴からにじみ出るいわば、人生の裏も表も知り尽くしたが故の心理捜査が 得意だった。歯切れの良い発言にも好感が持てる。 ドライな同僚が多い中、暖かみある彼の行動は逆に新鮮さもあり、ドラマ全体に奥深い 雰囲気をもたらす役割も担っていたようだ。 警視庁捜査三課出身で、スリ、窃盗、万引き捜査を専門に活躍していた。 福島県出身の親しみやすい男である。 父親は山田刑事が生れる前に他界していた。(No.37「チリ紙交換殺人事件」) No.19「デカ部屋の悪霊」では、大学受験を控えた弟・山田正人(渡辺隆司)が登場する。 昭和2年1月18日生まれの山田は、昭和50年当時、48歳。 正人とは、最高30歳の年齢差があることになる。(^^) No.1「エアポート捜査線」で、スリを護送中、バスジャック犯を追跡中の草野刑事と 出くわしたことがきっかけで後のGメン75のメンバーと出会う事になる。 小田切警視から黒木警視に紹介され、No.2「散歩する囚人護送車」での護送車運転手に 扮した活躍で国際銀行ギャング団を関屋らと摘発。Gメン75のメンバーとして抜擢される。 No.204「ミスター・ブー殺人事件」で覚せい剤ルートを追っていた時、知り合った城西署署長 ・今西の強い要望で引き抜かれGメンを降板する。 黒木が山田を渡す条件として署長に提示したことは、<Gメンが必要とした時は彼の力を 再び借りる>という将来の復帰を念頭に置いた内容のものだった。 しかし、再びGメンとしての勇姿を見ることは出来なかった。 アパート<光荘>での独身生活を謳歌している。相性は「オッサン」。 初期は特に草野刑事に相性で呼ばれていたが、いつしか皆から「山田さん」「山田刑事」 と呼ばれるようになった。最後に「オッサン」と呼ばれたのは、 No.187「爆弾を持ったサンタクロース」。この作品では、小説創作にはげむ職務を離れた 山田刑事の素顔を見ることが出来た。 私が山田刑事の暖かさを意識したのは、No.45「警視庁広域手配No.307」。 電車内のトラブルで知り合った男が殺され、一人残された幼い息子に親代わりのような 気持ちで接する場面である。 地味ながらも、ねばり強い捜査活動は同僚のGメンからも信頼が寄せられていた。 No.174「母ちゃんは地獄へ行け!」では自殺を図ろうとビルの屋上に立つ男とその子供を 必死に思いとどまらせようとする姿には胸を打つものがあった。 またNo.197「非行少女ミキ」では非行少女の更正に全てをかけるという人情路線を 見せてくれた。 しかし、No.26「冬のヨット・ハーバーの殺人」、No.35「豚箱の中の刑事」、No.64「逃亡刑事」 などで見られるように自らの失態で拳銃を盗まれたり落としたりすることが多く、 黒木の寿命を縮めた?エピソ−ドも忘れられない。 フルネーム:山田八兵衛 ◆藤木悠さんは2005年12月19日(月)午後7時55分に永眠されました。 生前のご活躍を偲び、ここにご冥福をお祈り申し上げます。 |