黒木警視 | ||
丹波哲郎Gメン75というイメージが定着しているGメンのボス。 No.136「X'マスイブ21時のトリック」では劇中の書面に<警視庁警視・黒木鉄也>と記載 されたことがあったが、Gメン82放送当時、事情に詳しい方にお尋ねしたところGメンは<哲也> であることが判った。特に定めがないのであろうか、シナリオライターによって変わってしまう こともあるとのこと。番組企画当初はフルネームが設定されていた筈・・と仰る制作スタッフの方 のお声もあった。 No.251「Gメン対エーゲ海の骸骨」ではポストカードに<T・KUROKI> Gメン82No.5「私は殺される!」では<黒木哲(以下献花に隠れて読めず)> 後の多くの出版物、ミュージックファイルのレギュラー解説では<哲也>。 「Gメン93春 第一級殺人の女」が成功していたら、レギュラー番組として復活も期待されていた 93年。おそらく「新幹線物語93夏」の枠に新作Gメンが登場した筈であると推察するならば 「新幹線−」の丹波哲郎氏の役柄・東京駅長(黒木哲也)はGメンの黒木ボスの役名と思われる。 ============================================================================= GOVERNMENT MENの創設者で、Gメン75設立当初は警視だった。 黒スーツに黒いソフト帽。無造作にひっかけた白いトレンチコートがトレードマークの ”スーパーハードボイルド” No.28「刑事誤殺」までの大半は、部下から<ボス>と呼ばれていた。 No.205「新Gメン対ニセ白バイ警官」で警視正に昇進。 No.355「Gメン75スペシャル−サヨナラGメン75また逢う日まで−」では、過去の誤認逮捕が 発覚したが真実に目をそむけることなく職務を遂行した。 Gメン82No.17「サヨナラGメン82」では部下ともども任務を全うし、パリのインターポール本部 へ派遣される。 そして外伝の「Gメン93春 第一級殺人の女」では、警視庁幹部。 同じく外伝「五つの顔の変装刑事 右京警部補ファイルE」からは、警察庁長官となり文字通り 日本の警察機構のトップに君臨する。 捜査一課の他、所轄署のキャップ(No.104「77.5.14津坂刑事殉職」)、函館西署 (No.185「津軽海峡を渡る片足の男」186「青函連絡船の殺し屋」)捜査官などを歴任。 秘密警察官のキャップとしては申し分のない男だった。 番組内での披露は無かったが、カラテの達人でもある。また、英語、フランス語にも堪能で、 海外での捜査をはじめ国際的な捜査ではその実力を発揮するシーンも数多く見られた。 また、No.130「一卵性双生児殺人事件」では趣味の花造りが判明するという貴重なシーンも あった。殺伐とした事件を追う職業柄、プライベートでは安らぎを求める素顔が見られた。 結城警視正同様、一戸建の豪邸住まいということがNo.121「パトロール警官と女性連続殺人 の謎」で判明するが、さぞかしガーデニングに力を入れた庭が存在するのであろう。(^^) 番組初期は、本部から司令を送るだけでなく、自ら捜査の渦中に飛びこむ事も多く、行動的な 一面を見ることができた。 No.55「Gメンの首」では、誘拐魔の罠に落ちた響刑事の銃口の標的になるというピンチもあった。 No.251「Gメン対エーゲ海の骸骨」では、インターポールの国際会議にも出席する実力者としての 側面も判明。ナチの国家的な犯罪に巻き込まれたこともあった。 「警察官が拳銃を携帯する理由は、己の身を守る為でも、犯人を威嚇する為でもない。 凶悪犯を容赦無く射殺する為だ!」(No.28「刑事誤殺」) 「すっきり吐いて、人並みの正月をおくってみたいとは思わんか?・・・こいつら逃走を 計ったから射殺した、とそう報告しておけ!」(No.85「77元旦デカ部屋ぶっ飛ぶ!」) 「・・・君を見殺しにしてしまった。しかし、君の死は無駄にはしない・・。」 (No.69「ヒキ逃げ白バイ警官」) 「・・もしそんなことになったら、お前のヒューマニズムは何と応えるんだ!」 (No.66「警視庁の中の密室殺人」 「・・響君、まずホシを挙げる事だな。」(No.103「また逢う日まで響圭子刑事」) ・・・・・などなど。 特に初期は、上記の名言集の一部からも推察されるように、かなり過激な捜査哲学を持った ボスとして描かれている。 スーパーハードボイルドと異名を取る男で、捜査に関しては私情を一切挟まないのがモットー と思われる。 ホシを挙げる為には手段は選ばず、No.238「ジングルベルに呼ばれた幽霊」では、事件の 背後に隠された陰謀を暴く為、神父に化けて大掛かりな罠を仕掛けたり、 No.49「土曜日21時のトリック」のように難攻不落な容疑者を落とす為なら証拠さえもでっち 上げるという徹底ぶり。(^^) No.20「背番号3長島対Gメン」、No.52「唇の中の拳銃」などのように、部下がピンチになると どこからともなく現れるという特技?もあるようだ。(^^) そんな黒木警視だが、No.218「梟の森みな殺しの夜」では肉親を失った子供を黙って抱き すくめる暖かみのある一面も見せてくれた。 No.339「金髪の女スリ学校」でも人柄の良さが見られるシーンがあった。 草鹿刑事がスリに財布を盗まれた。たまりかねた黒木が財布ごと草鹿に金を貸す。 それをまたまた盗まれてしまうのだが、金は諦めるが父の形見の財布だけ何とか戻らんか・・と こっそり嘆くシーン。 No.297「ラッシュアワーに動く指」のラストでの笑顔も、職務を離れた人間・黒木哲也を垣間見た ようだった。 波瀾万丈の過去もあったようだ。 No.214「ニューカレドニア大追跡」では、第二次世界大戦中、ゼロ戦に乗って敵機の攻撃に遭い、 ニューブリテン島に不時着。オーストラリアの捕虜収容所に抑留された過去が語られた。 また、No.331「新GメンVSニセ白バイ軍団」で語られた過去(女性に騙され危うく命を落としかけた こともあった)は、「キイハンター」の黒木鉄也とダブッて仕方なかった。 ■丹波哲郎さんは、2006年9月24日23時27分に永眠されました。享年84歳。 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。 ★お別れの会★ |