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                ザ・サスペンス
     女囚 
      第3監房の脱走      


 
            (キャスト)江波杏子<加納圭子>、范文雀<谷口初江>、中丸忠雄<津本警部>、
                  丹阿弥谷津子<加納昌代>、近石真介<浮田徳治>、上月左知子<浮田安子>、
                  
小林稔侍<白鳥警部補>、梅津栄<佐竹音吉>、児島美ゆき<田尻ルミ>、
                  阿藤海<村上竜治>、三角八郎<村上猛>、杉江廣太郎、出光元、矢野間啓二<松永次郎>、
                  高野真二、谷本小夜子、三重街恒二、山浦栄、武田博志、ほか

            
(ナレーター)芥川隆行
            (プロデューサー)近藤照男、樋口祐三(TBS)
            (脚本)高久進
            (音楽)義野裕明
            (記録)古屋彰子
            (製作デスク)川原一哲、新井英夫
            (撮影)下村和夫
            (監督)下村和夫


 ☆「Gメン75」の制作スタッフが贈る新Gメン<Gメン82>のデモンストレーション作品・第3弾!
 今回の主役は、Gメン75で好評を博した
范文雀さん、江波杏子さん。
 「柿ノ木坂の首吊り殺人事件」「殺意の肖像」は刑事側から人間を描くドラマであったが、今回は
 犯罪者側から人間を描くドラマであった。
 また、警視庁捜査一課・津本警部役(47才)で
中丸忠雄氏、白鳥警部補役(35才)で小林稔侍氏が
 画面を飾るというGメンカラーも見逃せない。残念ながら白鳥警部補は変装いたしません。(^^)
 
 今回の音楽は上述の2作品で起用されたピエールポルト氏のものは無く、全て義野裕明氏の
 オリジナル曲である。
 曲のタッチは往年の「Gメン75」末期そのもの。そして一部の曲は「Gメン82」へと継承されている。

 Gメン75でファッショナブルな賀川陽子刑事役を演じた范文雀さんであるが、今回は囚人で子供の
 母親役。刑務所に収監される前、養子縁組した実の子が誘拐され、その事実を知り脱獄するという
 設定である。
 その刑務所看守長・圭子役に江波杏子さん。津村警部補タッチで好演されている。
 Gメン75では警視庁幹部として活躍した結城警視正役の中丸忠雄氏は、今回は現場で活躍。
 誘拐捜査の陣頭指揮をするという役柄が興味深い。部下に小林稔侍氏。
 この頃の小林稔侍氏。Gメン82レギュラーでも充分通用する雰囲気であった。
 そしてラスト。救出された子供が真っ先に駆け寄った人は・・・。
 Gメン75のようなハードボイルドタッチの結末が泣かせる作品であった。
   
 また、フィルム撮影であることも嬉しい。当時の2時間ドラマはビデオ撮影のものもかなりあったが、
 この頃の近藤照男プロダクション制作・2時間ドラマは、フィルム撮影を堅持していた。
 この作品をもって、「Gメン」タッチの2時間ドラマは完結となるが、以降、「ザ・サスペンス」枠で
 「妻は告白する」等、何本か近藤照男氏によるサスペンスドラマが制作された。
 しかし他の2時間ドラマとの差別化もなく、Gメンをはじめ一連のシリーズの面影を見出せるような
 作品が世に送り出される事もなかった。
 「殺意の肖像」の続編が検討されているということを、当時スタッフの方からお聞きしたが、実現には
 至らなかった。

 
 
−あらすじ−
 鉄工所を経営する夫婦の子供が誘拐され、身代金・5000万円を要求する電話がかかってきた。
 警視庁捜査一課の津本警部、白鳥警部補が動き出す。
 誘拐された子供・陽一は、養子縁組された子供で、実の母親は刑務所に服役する女囚・初江だった。
 彼女の夫はクラクションを鳴らしたことで殺され、残された初江と陽一は生活苦に陥っていた。
 そんな中、初江は現実逃避のため覚せい剤に手を出し、誘拐事件の共犯という濡れ衣を着せられた上、
 逮捕されたのだった。
 刑に服すとき、やむなく幼い陽一を養子に出すことに合意。無念さを募らせたまま監房へ・・・。
 そんな彼女だったが、あと1週間で刑期を終え出所することになっていた。
 しかし、事件を知った初江は、出所前の市内歩きの時、看守長・圭子の一瞬のスキを突いて逃走。
 東京へと向う・・・・!

 


         どうしても子供を
              助け出したいんです・・!!


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